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⑥完全無欠! アドルフ・ヒトラー

 

 

 

 

 

『東方紺珠伝』のラスボスは、アドルフ・ヒトラーでした。

 

そんな荒唐無稽な都市伝説、誰も信じてくれないかも知れません。しかし、航海長は予想の大外れなど恐れません。何処までも暴走して、盛大に砕け散ってしまえば良いと考えております。はい。

 

それどころか、今回の異変の真の黒幕がヒトラー関連の人物だったと仮定すれば、『深秘録』『紺珠伝』を巡る、様々な言葉に秘められた意味が説明出来るようになります。こちらでは、以下のもの全てに

対して説明を加えて参ります。

 

1 一人の狂人

2 完全無欠

3 天才的な噂・都市伝説の使い手

4 ゲーム自体、滅茶苦茶難しい

5 狂気の王国

6 地上の浄化=幻想郷への侵略=東方総合計画

7 兎は舞い降りた

8 アポロ(=アメリカ)は月に行ってない、という都市伝説

9 宇宙巫女とタイトル画面の蓮の花

10夢の中なら、何処でも行けるし、何にでもなれる。しかも夢は具現化する。

 

 

 

1 一人の狂人

 

『紺珠伝』のラスボスがヒトラーであれば、もはや説明も不要かと思います。溢れる狂気に満ちた

独裁者は、夢物語のような王国を建設すると豪語し、そのためならばどんなに狂った政策も戦争も

正当化したのです。民族浄化政策は、その最たるもの。

ちなみに彼は、政治的な邪魔者にも変質者のレッテルを貼って「浄化」しました。

 

 

『紺珠伝』ほど、ラスボスに期待が集まる作品も中々無いと思います。二作品分のカリスマを備えた、物凄い黒幕が出てくることに期待しましょう。

 

ちなみに、ウィキペディア大先生によると、「ヒトラー女性化計画」という謎過ぎる計画があったよう

です。ヒトラーがドイツ国民に与える影響力を減ずるためだという話ですが・・・。

 

2 完全無欠で、未来が見える

 

ナチス支配下のドイツ国民は、本気で彼のことを完全無欠だと信じていたようです。欠けているところ

など無い、彼の言うことは全て正しい、彼の言う通りにしておけば何の間違いも無い・・・。

そういった狂信を、もしかすると月の住人もしてしまっているのかも知れないですね。

 

 

ところで、ヒトラーが恐るべき独裁者としての性格だけでなく、優れた予言者としての性格も有して

いたことは有名です。「1989年に人類の歴史は大きな転換点を迎え、その後人類は、支配者と被支配者、

究極の二極化へと向かう」と彼は予言したのです。ベルリンの壁崩壊に始まる冷戦の終結と、その後の

新自由主義へと向かう世界の流れを予言していたと見ることも出来ましょう。

 

そして、皆さんもお気付きのように、『深秘録』で宇佐見菫子は、ルーン文字が印刷されたマントを

羽織っているのです。もし、最近の二作品に本当にナチスが絡んでいるとすれば、

 

菫子 ⇔ ルーン文字 ⇔ ゲルマン主義 ⇔ ナチス ⇔ 月面逃亡説

 

と続く関係が明らかとなることでしょう。これぞ、明かされる深秘!

 

 

4 ゲーム自体、滅茶苦茶難しい

 

ゲーム自体が物凄く難しく、中々歯が立たなくて苦労している。この言葉はよく聞かれますが、例えば、

ヒトラーがラスボスだったとすれば納得も行くでしょう。

逆に、これだけ期待させておいて、出て来たラスボスが「こんな小物かよ!」と感じさせる程度の奴

であるとは、中々考え辛いのではないでしょうか。

 

「ラスボスが聖徳太子だった時も非常に驚かされたが、遂にここまで・・・」

 

そんな風に思える日が来ると良いですね。

 

 

5 狂気の王国

 

ナチス政権下で、数年間のみ建設された第三帝国。まさに、「狂気の王国」と呼ぶべきものでしょう。

ヒトラーという独裁者を中心として、あらゆる人と物が国家に接続された国。おびただしい数の人々が、たった一人のカリスマ的リーダーに対して絶対の忠誠を誓う国。

 

 

 

『紺珠伝』の自機の設定では、未来が見えること=完全無欠であること、という符号が成り立つよう

にも見えます。まさにヒトラーは、完全無欠と表現され得る存在でしょう。

 

これは余談ですが、ベルリンの民衆の興奮を抑え切れずに、検問所を開放して壁崩壊を招いた東ドイツ側の検問所司令官の名前を、ハラルド・イェーガーというそうです。「絶対に越えられないもの」の

象徴であった壁を崩壊させるイェーガー。どこかの少年漫画で聞いたことが・・・。

 

 

3  天才的な噂・都市伝説の使い手

 

「ユダヤ人が世界を支配しようとしている。だから、私が彼らの野望を挫くのだ!」

「共産主義者が国家を転覆しようとしている! 今こそ全権力をナチスの下に!」

 

このような「噂」や「都市伝説」などによって、ヒトラーは権力を奪取したと言うことも出来ます。

人間というのは、根拠のない噂に惑わされて、すぐに理性的な判断力を失ってしまいますから。

 

しかし、それだけではありません。実は、ナチスそのものこそ、「都市伝説」的なオカルティズムに

染め上げられた集団だったのです。

 

ナチスは元々、ゲルマン民族主義に依る秘密結社トゥーレ協会が支持母体でした。それ以外にも、地球

空洞説や、映画「インディー・ジョーンズ」にも描かれているような聖遺物探索とも、何らかの関わり

があったと言われています。

 

最たるものは、ナチスが積極的に利用したルーン文字です。突撃隊(SA)や親衛隊(SS)のマーク

にはルーン文字が使われていますが、何を隠そう、ルーン文字とは古い時代のゲルマン人が使用して

いたものだったのです。

 

 

もし、月の都がそんなことになっていたとすれば、それこそ狂気の王国の誕生です。であれば、鈴瑚のような体制に懐疑的な視点の持ち主が、かつての極楽浄土は見る影も無い、と主張することにも納得が行きます。

 

6 地上の「浄化」=幻想郷への侵略=東方総合計画

 

「邪魔者を排除すること」と「地上のあらゆる物を消滅させること」、これを総称して「浄化」と呼ぶらしいと書きました。また、「浄化」の過程を経てから植民を行おうとしている可能性もある、と

分かりました。

 

すると、思い浮かんでくるものがあります。ヒトラー率いるナチスが本気で取り組んでいた政策の一つ、

「東方総合計画」です。

 

ドイツより東方の地域に巨大な植民地を創り、そこを生存圏とする。最終的に、ウラル山脈以西を支配

する、広大なゲルマン帝国を建設する予定でした。そこに暮らしていた人々は奴隷化するか追放し、

より優れた文化を持つドイツ人が入植することになっていたのです。

本気でこのような計画を立てる人々が、現実にいたことが何より恐ろしいのですが、もしかすると

『紺珠伝』で行われている「浄化」はこれと似ているのかも知れません。

 

「邪魔者の排除」と「地上のあらゆる物の消滅」を遂行すれば、地上はまっさらになります。そう

すれば、月の都の植民地に出来ます。こうした「浄化」は過程でしかなく、最終目的は「一人の狂人」

が支配する「狂気の王国」を創ることなのです。

 

 

7 兎は舞い降りた

 

1面ボスである清蘭のテーマの名前ですが、元ネタWikiに記載されている通り、元ネタがあります。

「鷲は舞い降りた」という言葉が大本です。アポロ11号が月面に着陸したことを地上に知らせる言葉

であり、同時にとある冒険小説の題名です。

 

>第二次世界大戦中のイギリスを舞台に、ナチス・ドイツ落下傘部隊の冒険を描いたもの。

 

まさに、密命を帯びて地上に降り立つ部隊の一員となった清蘭にとってぴったりの曲名です。彼女の

役職は調査部隊(イーグルラヴィ)というらしく、ここにも「鷲(イーグル)」という言葉が入って

います。

 

 

8 アポロ(=アメリカ)は月に行ってない、という都市伝説

儚月抄にもあったように、月面にアポロの旗が刺さっていたのは事実です。つまり、アポロは確実に

月に行っているはず。なのに、「アポロは月に行ってない」という都市伝説を蔓延させる意味とは

何でしょうか。

 

「アポロは月に行ってない」という事実を広めると、では誰が最初に月に行ったのだ、という疑問が

生まれます。アメリカではない、ソ連も有人月面探査はしていない。嫦娥計画を遂行する中国も、まだ

有人探査の段階には至っていない・・・。

 

そこで、今までの考察から推測すると、最初に月に到達したのはアポロ(=アメリカ)ではなく、

ナチスおよびヒトラーが率いるドイツだったということになります。そう主張したがる勢力がいると

いうことかも知れません。

 

幻想郷という植民地で、「ナチスの方が先に月に辿り着いた」という都市伝説を定着させる作業を経て、その夢を具現化させ事実としてしまうつもりなのでしょうか。

しかし、幻想郷のあらゆる物は、もうじき消滅する運命にあるはず。・・・謎です。

 

ちなみに、第二次世界大戦時のドイツによる対アメリカ宣戦布告は、歴史の謎だそうです。日独伊三国

軍事同盟はあったものの、参戦までする義務は無かった。それにも関わらず、わざわざ強大な敵を

増やすような行為に走ったのは何故でしょうね。

 

 

9 宇宙巫女とタイトル画面の蓮の花

 

『紺珠伝』のタイトル曲名が「宇宙巫女現る」です。巫女というと、霊夢でも早苗でもなく、依姫の

ことだろうか、などと考察がなされています。とすると、「黒幕がナチスやヒトラーの関係者だと言うなら、ここが説明出来ないじゃないか!」と思われるかも。

 

また、タイトル画面の右の方に、蓮の花まで描かれています。「ナチスと蓮に、何の関係があるのw?」 確かに、そうも思えます。

 

でも実は、今まで積み重ねてきた考察を応用すると、これも説明出来てしまうのです。ヒトラーと蓮、

ヒトラーと巫女を結び付けるもの。ズバリ、「シャンバラ伝説」です。

 

神秘的な力を有する地底王国シャンバラの入り口が、チベットにある。ヒトラーはそこへ向けて調査団

を派遣し、秘伝を持ち帰って戦争に役立てようとした、という話です。都市伝説の域を出ませんが、

何とも興味深いですね。

 

そして、仏教の理想郷シャンバラは、曼荼羅の中で蓮の花に見立てられたそうです。タイトル画面の

蓮の花がシャンバラを表しているとすれば、ヒトラーおよびナチスへと至る道が開かれるのです。

また、巫女についても説明可能です。ヒトラーの調査団は、チベットからアルザル人(シャンバラと

似た地底王国人?)を二人連れ帰って来て巫女にしたらしいのです。彼女らはナチスに対して重要な

預言をし、ナチスもそれに従って動いた結果、UFOなどオーバーテクノロジーを手に入れたそうです。

 

それを使って月面に逃げたと考えれば、もう完璧! 宇宙巫女の誕生です。もしかすると、『紺珠伝』では可愛らしい宇宙巫女が二人も出て来るかも知れません。

 

 

10 夢の中なら、何処でも行けるし、何にでもなれる。しかも夢は具現化する。

 

これまでの考察を踏まえると、ヒトラーという「一人の狂人」は、ドイツで果たし得なかった夢を

月の都で果たそうとしていると言えます。そして、それと良く似た都市伝説が実際にあるのです。

 

『ナチスの財宝』(2015)によれば、ナチスが政権を握った1933年から崩壊の45年まで、ナチスは

ヨーロッパの各占領地で、60万点もの財宝を略奪したそうです。そのうち10万点は未発見で、その

ことが都市伝説の元ネタとなっています。

 

>ナチスによる財宝略奪という蛮行は、常に陰謀論と隣り合わせだ。発見されない略奪品は、今も

 ナチスの「闇の勢力」がどこかに隠し持っている。男たちは巨額の財宝を手にして逃げ伸び、生き

 延びたヒトラーと共に戦後のナチス再建に備えた。そんな荒唐無稽とも思える筋書きは一方で、都市

 伝説として笑い飛ばせず、どこかで無視できない奇妙な引力も持ち合わせている。(p102)

 

ナチス逃亡の先は、主に南米だと言われています。それが、『紺珠伝』では月の都だっただけかも知れ

ません。月の都を拠点に、ナチズム運動を再開しようということでしょうか。

 

あるいは、今までの考察を思い切り打ち消してしまうかも知れませんが、「一人の狂人」がヒトラー

本人ではなく、ネオナチのようなナチス残党組織のリーダーである可能性もあります。であれば、

月の都の新興勢力(=ナチス残党)こそ、「狂気の王国の遺物」と言えるかも知れません。

 

 

どちらにしろ、ドレミーのキャラ説明および彼女の言葉は、何処か思わせぶりです。

 

>夢の世界を上手く使う事が出来れば何処にでも行けるし、何者にだってなれる。それに気付いた者が

 秩序を乱さぬよう、彼女は監視しているのだ。

 

果たして、ドレミーは「一人の狂人」の夢とどのように絡んでいるのでしょうか。彼女は、夢を使って秩序を乱そうとする者を、監視する立場にあるはずなのです。

 

それにも関わらず、月の都は今や、狂夢(ルナティックドリーム)に侵されているという。

滅茶苦茶、夢のせいで秩序が乱れまくってるじゃん!

 

>私の方は一応形だけでも仕事をしたのでもう十分です

 

この言葉には、夢の支配者たる彼女でさえも、月の都の新興勢力には逆らえない、という裏事情が

表れています。果たして、連中は何者で、どんな夢を叶えようとしているのでしょうね。

 

 

 

ここまで来て、非常に大きな謎が残りました。永琳のいう「彼奴」って、誰?

その謎については、最終章で語りましょう。

 

 

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