③考察開始!
前章で紹介した情報を基に、徐々に考察&予想を進めて参ります。
まずは、簡単な考察だけで導くことの出来る情報について、8つ提示していきましょう。
1 『深秘録』と『紺珠伝』、二作品の黒幕(=「彼奴」?)は同一人物。
永琳が「彼奴」と呼ぶ者が暗躍しているようだ。『深秘録』と『紺珠伝』の両作品で妙な噂が広め
られている点を鑑みるに、黒幕は月の都にいる同一人物だと思われる。しかし、二作品に跨って黒幕と
なったラスボスは、未だかつて見たことがない。(守矢のことは言わないでおいてやる)
2 真の黒幕は、噂や都市伝説の天才的な使い手。
『儚月抄』『深秘録』『紺珠伝』の三作品に共通することとして、噂や都市伝説が、月の都の新興勢力に
よって実に上手く利用されていることが挙げられる。噂や都市伝説を使いこなす能力が、「彼奴」など
月の都の新興勢力にはあるのだろう。もしかすると、噂や都市伝説と深い関わりがある元ネタから
引っ張ってきたのかも。
3 「彼奴」=「一人の狂人」とは限らない。
これは航海長も血迷って勘違いしていたことだが、「彼奴」=「一人の狂人」である必要など何処にも
無い。永琳はただ、「彼奴」について一言、言及しただけ。それが「一人の狂人」だ、などとは言って
いない。勝手にこちらが、そう思い込んでいただけなのかも知れないのだ!
4 Limbo → 監獄という意味がある。
小説版『儚月抄』にも書かれていたことだが、月から見れば地上は監獄なのだという。『深秘録』の
英語の副題でLimboという単語が使われていたのは、この作品において、月の都の一勢力が背後に
控えていたことを暗示しているからではないか。
5 Lunatic Kingdom → 狂気の王国と訳せる。
鈴瑚は、月の都を”ルナティック・キングダム”と呼び、狂った極楽浄土と称した。これを加味すると、
”ルナティック・キングダム”を「狂気の王国」と訳すことも可能となる。すると、今回の作品の副題
は「狂気の王国の遺物」となるのだ。
6 未来が見えること → 完全無欠であるということ?
人間たちは、「紺珠の薬」を受け取って完全無欠モードになることで、「彼奴」などに対抗出来るように
なるそうだ。するってぇと、「彼奴」などの相手方は、常態的に完全無欠で、何時でも未来が見えると
いうことだろうか?
7 生身でいられる夢? 実体ある物も通過できる夢?
ドレミーによれば、主人公たちは夢で繋がる「幻想郷~月の都」間の通路に、生身で居るらしい。
秘封作品の『夢違科学世紀』や『伊弉諾物質』で、メリーが夢の中の実体ある物を持ち帰ったことと
関連しているのか。そう言えば、菫子も夢の中で幻想郷を訪れることが出来るようになったが、あれも
肉体を伴ってのことだった。偶然の一致だろうか。
8 アポロが立てた旗を引きぬくことには、重大な意味があるらしい。
漫画版『儚月抄』の序盤で、人間の旗は既に何者かの手によって抜かれていた。それを聞いた途端、
輝夜は「月面戦争が始まる」と理解している。旗が抜かれるというのは、戦いの狼煙が上がることを
意味しているのだ。そして『紺珠伝』では、「アポロは月に行っていなかった」という都市伝説が
流行っている。月の都の新興勢力は、どうしてそこまでアポロにこだわるのだろうか。
・・・やはり、最近の二作品は難解です。これだけ時間をかけても、未解決の謎が多過ぎます。
真の黒幕の正体然り、「狂気の王国」の意味然り・・・。
なので、簡単そうな問題から予想し始めちゃいましょう。
ここから先は、多くの推測が含まれます。確実性はありませんので、どうぞ悪しからず。