①はじめに
2015年5月10日、「第12回 博霊神社例大祭」が開催されたこの日。
東方クラスタ界に核爆弾が投下されました。
「東方Project」の第14,5作目として発表された弾幕アクションゲーム
『東方深秘録 ~ Urban Legend in Limbo.』
に、秘封倶楽部の初代会長を名乗る、宇佐見菫子なる人物が登場したのです。
彼女は、7種類全てを集めると自動で結界を破壊するようにプログラムされた「オカルトボール」なる
ものをツールとして使い、幻想郷の住人と対面し、最後には結界を破壊し幻想郷の存在を外の世界に
向けて暴くことを目指していました。相当、ヤバいボスであったと言えるでしょう。
菫子の登場は、秘封クラスタ界をも恐怖に陥れました。二次創作に非常に大きな影響が及ぶことが懸念
されるからです。彼女と宇佐見蓮子との関係などについても、未だ多くのことが謎のままです。
「幻想郷はメリーの夢の中にのみ存在する架空の世界」という二次設定を始め、いくつもの世界観が
成り立たなくなる恐れがあります。もちろん、新たな二次設定が生まれる可能性も大いに秘めており、
今後の動きは目が離せません。
しかし、東方クラスタ界全体に走った衝撃は、それだけに止まりませんでした。歴代の作品群の中でも、
最大級の謎と期待を孕む作品が、体験版でデビューしたのです。
『東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom.』
「難し過ぎる!」「ボスの格が高過ぎる!」「異変の規模が大き過ぎる!」など、各方面から悲鳴が
上がっています。2015年は「東方Project」にとって大転換の年と言われ始めており、もはや何人たり
とも現実を直視せざるを得ません。ここで一つ、しっかりと考察を加えておきたいと思います。
航海長は『紺珠伝』を、今までになく様々な示唆を含む、非常に興味深い作品だと考えました。
最大のポイントは以下の三つです。
1 前作の『深秘録』と併せ、二作品で一つの物語を形成している点。
(伏線だらけだった『儚月抄』も併せて考えると、三作品に跨る壮大な物語となる)
2 作品のあらすじやボスたちの零す言葉の端々などに、重大なヒントが散見される点。
3 難易度や異変の規模、前作で与えられた衝撃の程度を鑑みるに、もはやラスボスにはどんな奴が
来てもおかしくないと思える点。
また、ボスたちの言葉の中で航海長が特に気になったのが、以下の三つの言葉でした。
「浄化」「一人の狂人」「ルナティック・キングダム」
これらの条件から、荒唐無稽ではあるものの、ある考えがぼんやりと浮かび上がってきました。
笑い飛ばしたくなるようなトンデモ話です。しかし、『深秘録』という作品の登場により、眉唾ものの
怪しげな説でも、有り得ない話ではないと思えるようになったことも事実ではないでしょうか。
そこで航海長は、自分の思うところを忌憚なく述べるため、自身の説を補強する材料を探し求めました。
そして、ようやく人に説明できるくらいのレベルの与太話には出来たと感じたため、こうして
「考察&予想」を執筆した訳です。
ちなみに、『紺珠伝』に関する理解を深めたいのならば、漫画版および小説版の『東方儚月抄』を
素通りする訳には行きません。是非これを機に、もう一度『儚月抄』を読み返してみて下さい。
『紺珠伝』へと繋がる伏線がドンドコ出て来ます。こちらの考察でも、『儚月抄』から重要と思われる
箇所を何度か引用して参ります。
それでは、主に『深秘録』と『紺珠伝』の両作品を考察しながら、徐々に分かり易く説明して参ります。
どうぞ、最後まで根気強くお付き合い下さいませ。